STORY

消えた妹「なにか見たんじゃないの?」

大学で哲学を専攻する荻原祐一郎(加瀬亮)は、幼い頃に妹・真利江が失踪している。雨の夜に消えた妹は、いまだに生死もわからない。隣に寝ていた祐一郎は母親(麻丘めぐみ)から「何か、見ていたんじゃないの、お兄ちゃんでしょ」と責められ、ずっと、その自責の念に苦しんでいる。母親は、その後、宗教を頼るようになり、父親(大森博)は祐一郎が16の時に病死している。

弟の入院「アンテナがふるえるんだ」

出雲で監禁されていた少女が発見された、というニュースが荻原家を刺激する。母親は「あれは真利江だ」と言い、弟の祐弥は「真利江が帰ってくる」と言い出して狂乱する。しかたなく、実家に戻ることにした祐一郎だが、家には重苦しい空気がよどんでいる。増築を重ねた2階には、非常階段へと続く非常扉があり、真利江失踪の夜はそこから雨が吹き込んでいた。

一方、かつて荻原家の事件をテレビ番組で追っていたディレクター、相馬(宇崎竜童)も出雲の事件に刺激されて、ふたたび現れる。彼も又、妻の謎の失踪を、どう受け止めていいかわからないまま生きている男だった。

歪んだ家族「真利江として生きてみようと思うんだ」

祐弥は退院にあたって「これからは真利江として生きてみようと思う」と兄に話す。母親がひそかに買っている真利江の服を着て、玄関口に立った祐弥に、母は「おかえり」とほほえんだ。ふたりの様子にいたたまれない気持ちになった祐一郎は、S&Mの女王ナオミに電話をかける。人が苦痛からいかに解放されるかを探求するため彼はS&Mを研究テーマに選んでいたからだ。取材という名目で知り合ったナオミの前で祐一郎は、それまではき出せずにいた苦しみをはきだしていく....。


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